※この記事は2013年3月31日にブロマガで記載した内容です。
RTAレポート形式をば。
達成日:2013年3月30日
記録:56分27秒
1. 先人の偉業
元々見様見真似ではじめたロマサガ1RTAですが、
・グレイ主人公
・イナーシーの嵐を起こしアルベルトとシフの回収
・アクアマリン回収からのスカーブ山フラグ
・トマエ火山でフレイムタイラント一時消しにより冥府直行
・再びスカーブ山で風のささやきを回収
・そのままラストダンジョン
というテンプレートが出来ていたため、後はそこをどう短縮するか?がチャートを考える上で重要でした。
特になるべく安定して完走することが出来ることを目的としたときに、まず最初の懸念事項がトマエ火山1Fのケルベロス戦でした。
実際やってみるとダブルアタック・トリプルアタックの行動が多く、一時消しのために直前の戦闘で勝利していなければならないため、いかにケルベロスの猛攻を防ぐかがカギとなりました。
しかしそれは先人の知恵によりあっさり解決。
アクアマリンを殿下に捧げる前に装備しておき、そこからノーセーブでケルベロス戦まで向かえばアクアマリンの火耐性がそのまま継続適用されるバグを利用して楽々と突破。
次戦のフレイムタイラントも難なく一時消し対象となり、冥府のドラゴン避け再現(こいつはさすがに勝てない)とサルーインの石化再現(クリア出来なきゃ意味がない)さえ作ればロマサガ1のRTAは簡単に走れる状況にありました。
2. 状況再現の導入
規定のルートを普通にたどると大抵無駄なエンカウントをしてしまいます。
キャラクターは戦闘を重ねる度に成長しますが、ぶっちゃけラストは石化させるだけなので敵との戦闘はほぼ無駄と言わざるを得ません。
しかし余程敵の動きを見極めて完璧に避けられるプレイヤースキルが無い限り、まず避けられません。
しかもその戦闘をどれだけ早く終わらせても10秒前後のロス、戦闘を重ねると1分・5分・10分・20分とロスが貯まっていきます。
では、この状況を打開するためにはどうするか?
冥府のドラゴン避けではすでに状況再現を用いていますが、これを各地で取り入れればエンカウントを可能な限り回避することが出来るはず。と考え、敵避け再現の作成に入りました。
まず自分が取り入れた場所・・・具体的には、
・アルベルト回収後の雪原
・クリスタルレイク~アクアマリンの洞窟
・アクアマリンの洞窟~ナルシッサ戦
・アクアマリン回収~クリスタルシティ
・冥府ドラゴン避け~溶岩の間の植物
・冥府環状の間
・デスの部屋
・冥府環状の間の帰り
・冥府溶岩の間~骨の間
・イスマス~ラストダンジョン入り口
以上の箇所の敵避け再現を作成し、再現なしのものより約20分程度短縮出来ました(この時点で自己ベスト1時間4分ちょい)。
なお、アクアマリンの洞窟からトマエ火山まで再現がないのはアクアマリンの耐性残存を利用するため、ラストダンジョンは・・・まあ避けれるだろうし何とかなるだろうという妥協でした。
3. 金策、装備、迷走
ケルベロス戦における驚異は炎攻撃と打撃ですが、アクアマリンで炎耐性があるのであとは打撃を耐えるために高い防御力が必要となります。
それに加えて道中の雑魚敵を殲滅するための攻撃力も欠かせない要素です。
初期装備のアイアンソードだけでは攻撃力が不安ですし、何より前列でしか攻撃が出来ないため、1人ならまだしも2人や3人の状態で敵にぶつかるとどうしても戦闘でのロスがかさみます。
まず装備の選択肢をRTAのルートで揃えられる範囲で考えます。
・アイアンソード(前列攻撃のみ・初期装備)
・ハルベルト(中列からも攻撃可能・クリスタルシティ590金)
・ガーラルスピア(中列からも攻撃可能・ブルエーレ4300金)
・ブロンズアーマー(弱い・初期装備)
・ヴェルニーアーマー(高い防御力・クリスタルシティ4000金)
・チェーンメイル(そこそこ高い防御力・オービル1500金)
・アクアマリン(火耐性)
・火神防御輪(火耐性)
・死のよろい(アホみたいに高い防御力)
上記の通り、前列でないと攻撃出来ない武器は頼りにならず、中列から攻撃可能な槍を主力に進めていきます(弓も中列・後列から攻撃可能ですが威力が残念。鍛えると強いけど)。
そして防具は気軽に防御力を上げられる鎧1択で、1つ買えば十分。
金策は「高い指輪」と「はね」初期装備の「アクス」ガラハドの装備「バスタードソード」「ブロンズアーマー」さらに敵から得られる微小なお金があるわけですが、お金の使い道は装備品だけでなく、道中の船賃も地味にかかります。
悩んだ結果、ハルベルト2本(中盤用)、ガーラルスピア2本(終盤用)、チェーンメイル1着の購入にしました。
ヴェルニーアーマーは魅力的ですが、道中グレイとシフの2人で進める上での火力の確保のためガーラルスピア2本購入するとお金が足りなくなります。まあチェーンメイルでも一応の防御力は確保出来るので良しとします。
なおデスに仲間の命を捧げて死のよろいを入手するのも面白いですが、それ以降防御力の必要な戦闘はケルベロス一時消しだけなので、ちょっと入手時期として微妙なのと、デスに話しかけている間に敵がわらわらとやってくるのでそこでモタモタしたくないというのもあります。
4. 戦闘回数と時間経過
グレイの初期戦闘回数は48回で、80回でクリスタルシティにアイシャ出現、96回で南エスタミルにジャミル・アイシャ・バーバラが出現、112回でクリスタルシティにアルベルト・シフ・ジャミル・アイシャ・バーバラが出現・・・などというように戦闘回数によってイベントや仲間の位置が変化します。
状況再現を使用せずにそのままチャートをたどるとラストまでに100回は超えていることでしょう。そのためスカーブ山~冥府は1人旅でコマンド操作を早くし、後で仲間を回収するという戦術が可能です。
しかし状況再現を取り入れた今、戦闘回数を限りなく少なくすることが出来るわけで、戦闘の人数を減らしたり後で回収する手間を省けます(ただし、それでも戦闘は少し行なうのでアルベルトを外して2人にしています)。
ここで問題となるのは、戦闘回数64回におけるブルエーレの男の出現。
こいつに話すとブルエーレからメルビルまでのショートカットが使用可能になるため、わざわざガレサステップを抜けてワロン島経由で行かなくても良くなるので、是非利用したいところです。
幸いブルエーレではガーラルスピアを購入するタイミングがあるのでついでに話しかければ良いです。
ただそれが曲者で、戦闘回数64回というのは厳密には「戦闘回数64回以上で時間経過ポイントを通過する」ことが条件です。よって、次は時間経過ポイントを考えます。
状況再現を使わない場合は、アクアマリンの洞窟を出るまでに16回以上戦闘すれば、そこで時間経過ポイントを踏むことになるため、あまり気になりませんでした。
しかし状況再現を使う場合、アクアマリンの洞窟のナルシッサ戦の1回のみであとはスカーブ山まで回避することが出来ます。スカーブ山で16回以上戦うと仮定すれば、あとはどの時間経過ポイントを踏むか。
選択肢は3つ。
①ノースポイントに入る
操作としては一番楽ですが、スカーブ山から向かう場合ガレサステップを抜けなければならず面倒。
②ミルザブールから船に乗る
オービルまたは北エスタミルから船に乗らなければならず、お金がかかりますが歩くだけで行けます。
③イスマス南から抜ける
さらに戦闘を重ねる可能性があるため、非常に面倒です。
戦闘を回避するという目的ならば②がベストな選択ですね。しかし最終的には思わぬ結果に・・・。
5. アクアマリンを捨てる決断
こうして安定しつつもタイムを狙う方法をやってきたわけですが、まだ1時間という壁が破れませんでした。もっといい短縮法はないか・・・思えば既存のチャートではアクアマリンの炎耐性を維持するためにスカーブ山からトマエ火山までは状況再現が使用出来ず(※リセットすると耐性が消えてしまう)、敵との戦闘を無駄にこなしていました。そこさえ無駄な戦闘を回避出来ればさらなる短縮が望めるはず。
しかし冒頭でも述べたケルベロス戦がネックとなります。一時消しする(無事に逃走する)ためには運良く単体ほのお、どくキバ、マヒキバを使ってくれないと耐えることは出来ません。
が、その問題はあっさり解決。
状況再現を使用し、倒してしまえばOK!ちなみに一時消しは一度戦闘を挟む形となるため再現が安定しません。
その倒す方法は序盤にノースポイントを経由したときに買える風術「アイスジャベリン」。150金と安価で、炎属性の敵ならば稀にクリティカルで一撃で葬ることが可能です。ただし「宿に泊まる」という手順は増えましたが、スカーブ山の無駄な戦闘に比べれば微々たるものです。
実際に再現を組んで、どくキバを使わせた後アイスジャベリンで葬ることが出来ました。
ただしケルベロスは突破出来ましたが、次の問題がやってきました。
フレイムタイラントはどうあがいても勝てないので一時消しをする他にないのですが、炎耐性がないため全体ほのおであっさり全滅してしまうというリスクが!
しかしフレイムタイラントは単体ほのおを使用してくることが多く、ここは分のいい運ゲーとなります。全体ほのおを使われたら最初からやり直すorケルベロスからやり直すだけ。簡単ですね。
6. 功を奏す改善
アクアマリンを捨て、スカーブ山の各フロアでも敵避け再現を使用し、大幅な短縮を計ることが出来ました。
あとは細かい部分を練っていくとなったときに、残された妥協場所。ラストダンジョン。
最後は駆け抜けるだけだし、再現なんかいらんやろーと妥協した後、数度の戦闘で記録を逃したくはありません。最後まできちんと敵避け再現を作成しました。
ミニオン連戦を抜けるために一度戦闘で逃走しなければなりませんが、それ以外の部分ではタイムを狙うなら妥協出来ない点と信じて進めた結果、思わぬ嬉しい再現を発見出来ました。
アクアマリンの洞窟入り口からナルシッサ戦まで規定のルートをたどるとナルシッサ戦の戦闘結果まで再現可能ということはわかっていました。しかし冥府の再現中、1戦目は再現可能だが2戦目以降はいくら最速でキャラを動かそうが安定しないというのも経験上知っていました。どういう乱数の動き方をしているかわかりませんが、2戦目以降は再現の効果が現れず、戦闘を挟む連続の再現は諦めていました。
しかしどうも2戦目の結果はわりと似たようなものになる・・・というより指で数えるくらいのパターンしか出てこなかったのです。
敵避け再現からの1戦闘逃げ、そこから最速でミニオンの元へ向かうと、リセットから2戦闘目となるミニオンの戦闘も、見たことのある結果が何度か確認出来ました。
しかも連戦なのでキャラを動かすことはせず、メッセージを送るだけで良い(※メッセージが出ている間は乱数は変化しない)ので3戦目以降も同様の結果が得られることがわかりました。
つまり、100%全く同じ再現は出来ないが運が良ければ高い確率で再現可能ということ。
その中で一番大きい効果がワイルのアニメート連発のハマりを回避、わずか3ターンでワイル戦が終わる戦闘結果が得られたことでした。仮にこの戦闘結果を再現出来れば、さらなる短縮が望めることになります。普段は平均7~8ターン程度かかっていたワイルが3ターンで終わるとなれば、こんなに嬉しいことはありません。
こうして準備は整いました。いざ、1時間切りの世界へ。
7. 時間経過の盲点
チャートと再現が固まったところでいざ・・・となる前にふと思い出しました。
「まてよ?16戦どうせ稼ぐならもっといい所あるんじゃね・・・?」
チャート的にはスカーブ山のタイニーフェザーのフロアの鳥で回数を稼ぐ予定でしたが、何回か試してみるとナルシッサを除く15戦を稼ぐにはわりと余裕で、出口に着くまでに4~5回程度戦闘回数が余ることが結構ありました。さらにそのあとでミルザブールまで行き、船に乗って時間経過をさせなければなりません。
どうせ戦闘するならばもっと身近な場所がありました。イスマス。
スカーブ山で15回戦闘をこなして船に乗るよりも、スカーブ山で10回程度に抑えておき、イスマスで残りの戦闘回数を稼ぎつつ南から抜ければすぐにブルエーレに到着出来ます。
さらに船に乗るというタイムに影響する部分もカットし、金銭的にもさらに余裕が出来るという素晴らしい工程です。
これをニコ生で配信する直前に思いついたのだから、わからないものですネ。
8. さらなる改善案
56分27秒という記録を出せましたが、まだ無駄なエンカウントや操作の部分で詰めきれてない箇所もあるので、しっかりやればまだ短縮出来ると思います。
今後やる上での改善案を残しておきましょう。
とりあえず走った中でロスした部分として、
・クリスタルレイクの装備変更箇所がたどたどしく詰めきれていない
・イスマス経由でブルエーレに向かう際、1回無駄な戦闘をしている
・冥府のデスのフロアで無駄な戦闘をしている(ここはちょっと再現を妥協した箇所)
・帰りのフレイムタイラント後にスライムに1回無駄な戦闘をしている
挙げてみた通り、ロスというロスは1回につき最低でも10~15秒かかってしまう戦闘の部分なので、きちんと避けられれば55分台も夢ではないです。
それからチャート的な改善案としては、実はまだまだあります。
・冥府のデスのフロアの再現の見直し
どうしてもノーエンカで抜けれなくて仕方なく少ないエンカ数で抜ける方法でやっていたわけですが、入り口からデスに話しかけてまた入り口に戻るまでにノーエンカで抜ける再現を組めばまだ短縮が望めます。そんな再現が見つかるかどうかは未知数です。
・宿に泊まるのを「風のもと」購入に変更
お金に余裕が出来れば宿に泊まるロスをアイテムを購入&使用することに変更できるので多少の短縮になります。ただ、500金を捻出出来るのかはまだ検証していません。
・本体リセットをパッドリセットに変更
リセットからのロードの読み込みの部分での短縮です。わりと1秒くらいずつ短縮が望めます。が、異なる乱数で再現されるため一から組み直しです。やりたくないです。
・道中のフロアの敵避け再現を連続再現として組む
単純にセーブ&リセット回数を減らそうというものです。例えばスカーブ山なんかは1フロアずつ再現を作っていましたが、ここを連続で抜けることが出来ればそこそこの短縮になります。ただ、長い再現になると正確性が問われ、集中力を要するので非常に疲れます。
・TASルートに挑戦
結局のところブルエーレで男を出現させるために16回戦闘をしていますが、それよりもノーエンカで駆け抜けてガレサステップ・ワロン島経由でリガウ島に向かったほうが早そうっちゃ早そう。帰りも同じ道をたどるわけですが、15回の戦闘よりガレサやワロン島を歩く時間のほうが短そうです。しかしそのためにはタイニーフェザー直前の細道を抜ける再現を組む必要があります。めんどくせえ!
9. あとがき
最後にここまで読んでくださるかどうかは知りませんが、ロマンシングサガ1というゲームのRTAだけでこれだけ書けちゃうほど、このゲームは面白いです。
近日ロマサガ駅伝2ndが開催されますが、そちらの方はリセットペナルティが重く、状況再現の楽しみが皆無というのは、なんだかちょっと悲しい部分はあります。
もっといろんな方に状況再現の楽しさ、チャート作成の楽しさを知ってもらいたく、今回長文を書かせていただきました。
状況再現なしのチャートや既存の状況再現チャートをなぞって楽しむのもそれはそれで楽しいですが、自分でおいしい再現を見つけられたときの感動、そういった部分を少しでも共有出来れば幸いです。
また、ロマサガ2の本体依存で同じ乱数なら誰でも出来るものや、ロマサガ3の誰でもなぞることの出来る再現と違い、ロマサガ1はソフト依存で乱数が異なるらしい(詳しいことは知らない)ので、自分の自分による自分のための再現を作ってみたい!という方にはおすすめです。
ただ私も苦しめられましたが、なかなか再現が安定しない場合もあります。SFCの温度、気温、通気性、電源、時間帯などちょっとしたことで再現がズレたりすることが多々あります。
それでも諦めずに突き詰めればいつか良い結果が得られるでしょう。人生と同じだね!